文章を書くという事

「作文が苦手」という子供が多いようです。
作文は、どんなことについて書くのかテーマを決め、何をしたのか、どんなことが起こったのかなどを順序立てて書いていきます。

そのことについて感じたことや、他の人の行動などを盛り込んで、その時のことを相手に分かりやすく書いていくのですが、子どもによっては、話が前後したり、人に伝えると言うことが難しいのか、内容が伝わりにくい文になったりします。
このあたりに、「苦手意識」が生じるようです。

苦手克服のためには、短い文章を書くことから始め、慣れていくことです。
例えば、何についての話なのかという、テーマで一文。

どんなことがあったのか、で一文から二文を書き、最後に自分の感じたことを書くだけでも、十分練習になります。
短い日記程度でいいのです。

小学生で作文を苦手のままにしておくと、中学、高校を進んでいく中で、もっと苦手意識が強まってしまいます。
初めは親が「どんなことがあったの?」「どう思ったの?」と誘導しながら、作文を始めてみましょう。
親が作文は嫌い、苦手という刷り込みを、無意識のうちにしていると必ず子に伝染します。

世の中、書くことが出来なければ、表現のひとつの方法を失うことになります。
ブログやメールが市民権を得た今、書くことが嫌いとなれば、電話で全てを済ませるのでしょうか。

作文の授業

大学生時代、週に一度、作文を書く授業がありました。
授業の頭に作文を提出し、授業の中では先週に提出されたものから何人かの分を教授が添削する、という流れでした。
また、半期に一度は、全員の前で自分の書いてきた作文を読み上げ、教授と他の学生からの質疑に応答する、ということもしていました。

作文にはテーマがあって、とある著名人のコラムがまとめられた本から、毎週一つ指定され、それについて意見を書く、というものでした。
筆者の意見に賛成の立場で書いても反対の立場で書いてもよい、と言われていましたが、これがなかなか難しくて、毎週宿題をするのが憂鬱でした。
大学生向けの内容なので、筆者が書いているテーマそのものは理解が出来るのですが、如何せんコラムを書くことで有名な方の意見なので、自分の意見を突っ込む隙がないのです。
自由とは言われていましたが、基本的には反対の立場で書くことが推奨されていたので、ますます難しかったです。
私は、長引かせれば苦しくなるだけだと思い、200人近く居た学生の中で、一番最初に発表しました。
初めてで全員が若干緊張していたということもあり、質疑が少なく、狙い通りあまり突っ込まれることなくやり過ごすことが出来ました。
最初なので他の人の発表を聞くことが出来なかったこともあり、だんだん高くなる皆の作文のレベルに慌てたり後悔したりもしましたが、何とかそれなりの成績をもらうことが出来ました。
大学4年間にわたって行われたその授業のおかげで、文章を書くことやコラムを読むことが好きになれたのはありがたいですが、もうあの緊張感は経験したくないな、と思う授業でした。
4年間よく頑張ったなあ、と今振り返ってみて自分を褒めたいくらいです。

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