金継ぎ
大事にしている器を割ってしまった時、とてもがっかりしてしまいます。
少し欠けただけであれば、ちょっとした花器などに使うこともできますが、割れてしまったなら、そうはいきません。
残念だけれど捨てるしかない…。
でもやはり、捨てるのが惜しいときは、金継ぎをしてみてはいかがでしょう。
金継ぎは室町時代から続く器の修復方法です。
漆を接着剤として使い、その漆の上を金粉でお化粧して仕上げます。
こうして修復された器は、再び使えるようになりますし、金のラインが入った器は、以前より価値が上がった様にも思えます。
実際に、趣が増した器は、美術館に飾られるような名品になることもあるのです。
気に入った器があれば、割れることを恐れずに、日常生活に取り入れ、使いましょう。
もし、割ってしまっても、金継ぎをすればいいのですから。
こうした古くから伝わる技術は、後世に残しておきたいものですよね。
職人の世界になりますが、今、後継者不足に悩まされていると思います。
これは中小企業、特に零細企業における跡継ぎ問題は、現役の社長からすると非常に頭の痛い問題でしょうね。
いっそのこと外部から招聘することも検討してみては如何かなとも思いますが、外野の声は無駄でしょう。
もっとも後継者不足の背景には、事業の存続や発展が第三者に伝っていないのではないかというところかも知れません。
金が稼げなければ、ロマンだけでは生きてはいけないのですから。
匠の技術
友人で写真を趣味にしている人がいる。
その友人は主に神社や寺院の建物の写真を撮っている。
撮った写真をよく見せてもらうのだけど、こうした建物に使われている細工や装飾は本当に素晴らしいと思う。
しょっちゅう神社仏閣に足を運びいろいろな建物の写真を撮っているだけの事あって、私が神社などに行った時には気づかないような場所の写真を撮っている事がある。
扉の金具や壁の螺鈿細工など普通では見落としてしまいそうな物の写真を撮っている。
そう言った写真を見せてもらう度に、こうした細工を行う職人の才能に驚かされる。
神社仏閣の建物を修復するのは宮大工と呼ばれる、特別の技術を持った職人達だ。
今ではその技術を持つ人たちは50人程と言われている。
神社仏閣の建物に見られる独特の曲線美は宮大工の手によって生まれている。
機械化が進んだ現代でも、こうした職人でないと作れないもの、直せないものは数多く存在する。
しかしそれを受け継ぐ人が年々減少してしまっているのはとても悲しい事だ。
技術の習得まで時間がかかる事、生計を立てるのが難しい事など現実的な問題もあるが、素晴らしい技術は後世に受け継がれて欲しと思う。
写真を趣味にしている友人も螺鈿や金細工を行う職人だ。
彼は趣味で撮った写真から過去の職人達のアイデアや技法を学ぶ事が多いと言う。
職人という人たちは、今も昔も先人に学ぶことを大切にする素晴らしい人たちだと感じる。
こうした匠の心も受け継がれて欲しいと思う。