日本への第一印象

正直に言うと、日本への第一印象はあまりよくないです。
日本に来る前に、世界第二の経済大国で、先端の電子技術を持っている国で、現代化のイメージでした。
しかも行き先は東京なので、世界でも有名な大都市でしょう。

当時成田空港を出たら、もう夜10時過ぎになりました。
日本語学校の先生が迎えに来ました。
その後車で寮に向かいます。

寮に着いたら深夜の12時ぐらいです。
外から見ればきれいですが、中に入ったら、木造建てでした。
足を踏んだら音も出るぐらいで、重い人なら壊れそうな感じでした。

しかもライトも暗い黄色で、左右揺れていました。
「ここは日本?!東京?!」と信じられませんでした。

そんなにお金を払って、こんな場所に来て、もしかして騙されたかと思いました。
明日帰ろうとも思いました。

後ほどほかの先輩たちの姿を見たら、他人も生活できるのに、自分はできないわけがないでしょうと考え、安心して日本の生活を始めました。
これが留学生の正直な日本の印象なんですよね。

そもそも第一印象は、あくまでも付き合いのきっかけに過ぎないものです。
それよりも、予めあれこれと想定することによって、その時点で既に印象付けられていると言っても過言ではないのです。

想定の範囲内であれば安心であり、想定外だと驚きや裏切りなど、大きく感情を揺さぶられるのが人間というものです。
その事前の想定と現実のギャップが、サプライズと感じてくれると良いのですが、嫌悪になってしまうこともあるわけです。

印象って大事ですね。

日本オタク

以前テレビ番組で、日本が大好きだという日本オタクの外国人に、毎週クイズを出題するという勝ち抜きバトルをやっていた。
結局、一人の外国人が毎週正解を出して殿堂入りのようになったのを覚えている。

その外国人の知識がとにかく深いのが印象的だった。
クイズは戦国武将から地理、古典、京ことばなど多方面のジャンルに及んでいたため、日本人でも答えられる人は少ないであろう。

きっと学者でもあれだけたくさんのジャンルについて質問されれば答えられない。
しかもすごいのは、ただ回答するだけではなく、問題や回答について付属情報をすらすらと出して解説すること。

毎回これには、出題した方も参りましたというかんじ。
それでも得意気にはならない奥ゆかしさは、実に日本人らしかった。

その外国人が繰り返し言っていたのは、こんなに素晴らしい歴史や文化があるんですよ、深く勉強したいと思わないのですか、ということ。

知りたくないわけではないが、なんとなくやり過ごして深く学んでこなかった自分を省みると、すごくもったいないと気がつく。
外国人に日本の素晴らしさを教えられるのではなく、自ら知っておかないといけないと思った。

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