無職キラー
高校時代からの女ともだちLちゃんとはもう10年の付き合いだ。
恋多き女で、20代前半の頃はずいぶん一緒に遊んだ。
朝まで飲むのは週末の過ごし方として当たり前で、酒に男に金に、一緒にまどわされた。
今ではすっかりと二人とも落ち着き、派手だったメイクも地味になっている。
ただ、二人が好む男のタイプは相変わらず変わっていない。
私は10歳くらい歳が離れている人が好きで、経営者や管理職が好きだ。
ただし接待ゴルフばかり、という仕事の仕方ではなくて、現場でガシガシ働くタイプが好き。
Lちゃんは、「無職キラー」と当時から私たちは呼んでいたが、今付き合っている人も定職に就いていないようだ。
定職に就いていない大人って、一体どうやって暮らしているのか謎だ。
不動産を持っていたり、余剰財産がたんまりあるのか。
Lちゃんの元彼たちは、そういうタイプではなかった。
10日ほど有給を取って、島を巡る旅行をするような人たちが多かったと記憶している。
私の感覚だと、10日も仕事を離れられるって、会社から必要とされてないじゃん!と思ってしまうが、仕事仕事の余裕がない毎日を送る男よりもLちゃんから見たら素敵なんだとか。
そして、Lちゃんが好きになる人たちの特徴でいうと、「突然仕事を辞める」というのがある。
しかもLちゃんも全然動じない。
ゆったりドライブ行ってきたよ?なんて報告してくるので、職安に行かせたら?とこちらがハラハラしてしまうのだ。
今付き合っている彼は、クラブイベントでオーガナイザーなどをして、ゲストのブッキングなどを考えている?、だそうだ。
もうそろそろ30歳が来るけど、Lちゃん大丈夫かな。